格差社会と教育改革

 格差社会と教育改革(苅谷剛彦山口二郎著 岩波ブックレット)を読んだ。

格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)

格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)


 とりあえず、気になったのは次の2つ。 

 再生会議の目指す教育というのは結局、ポジティブリストを並べる一方で、資産配分についての具体的な議論をしないまま、学校現場を動かす仕組みとしては競争と選択と評価に期待をして、最終的には学校選択によって集まった子どもの数に応じて予算を付ける

 予算の担保がなく、教育改革を押し進めても、学校現場は限られた予算、人員で改革していかなければならないことから、成功することは難しいのではないか。

 当時日本の学力低下ということが盛んに言われたのですが、一番の問題は平均点が落ちたことではなく、この学力の低い子どもたちの学力が、より低下したということが問題なのです。このことを見誤ると、単に授業時間を10%増やせばいいといった乱暴な話ではなくなるわけです。

 学力の底上げを図るためには、どうしたら良いのか、もう一度考え直す必要がある。