村上春樹の音楽論

 「意味がなければスイングはない」を読んだ。

 

意味がなければスイングはない (文春文庫)

意味がなければスイングはない (文春文庫)

 本当に音楽が大好きな著者の音楽論。本当に音楽が好きなんだね。ブルース・スプリングスティーンスガシカオが、特に面白かった。

 スプリングスティーンレイモンド・カーヴァーを比較しながら論じることなんて、この人しか出来ないと思う。

 それから、スガシカオの歌詞には、村上春樹が作詞したのかと思うような言い回しが出てくる。2人の感性が似ている部分があるのか、まるで著者がスガシカオを語りながら、自分の内面を吐露しているようで、文章に引き込まれた。

 村上春樹ファンだけでなく、音楽雑誌にあふれる普通のレビューに飽き飽きしている音楽ファンには、お奨めの1冊。