わたしを離さないで

 初めてカズオ・イシグロの作品を読みました。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)


 この作品を読んだのは、福岡センセの本に紹介されてたからなんだが。


 まず、「わたしを離さないで」は、あらすじはあえて書かないが、いろいろな出来事が、控えめかつ丁寧に表現されていて、まるで池の上に広がる波紋のように重層的に連なっていく。でも書かれている内容は非常に重い。人間のもろくて儚い人生について考えさせられた。自分もいつか死ぬんだよなあ。死んだらどうなるのか?などと、真剣に考えてしまった。


 そして、早速、本のベースとなっている音楽もiTunes Storeで購入。いろいろなバージョンがあり、アレサ・フランクリンと迷ったのだが、凛とした雰囲気のadele nicoleのnever le me goにした。
そして、なぜかbaby baby つながり(読めばわかる)で、リンダ・ロンシュタットの甘いボーカルが聴けるooh baby babyまで購入。(そういえば、zappのこの曲のカバーも昔から好きだった。)
どちらもヘビロテしながら、読書後の余韻に浸っています。


 小説を読むと、こういうふうに読書後、感情移入してしまい、生活に影響することが怖いんだよなあ。でも、上記の福岡センセの本を読むと、まだまだ小説も含めて面白そうな本がいっぱい出てくる・・・。

 しかし、なんでこの人はこんなに文章を書くのが上手いんだろうか。おすすめ本の紹介記事を読んでいるというよりは、幼少時代からの著者の人生観の変遷をたどることができる旅本を読んでいる感覚だった。


 どちらも非常におすすめ。