大貧困社会


 「大貧困社会」(駒村康平:角川SSC新書)を読んだ。

大貧困社会 (角川SSC新書)

大貧困社会 (角川SSC新書)

 今、話題となっている雇用問題や年金問題などについて、新書版で紙面が限られているにも関わらず、豊富なデータをもとに述べられている。


 ファイナンシャルプランナーの勉強をしていたおかげで、興味深く読むことが出来たが、今後控える総選挙の前に、この本に書かれている内容の概要くらいは、しっかりと把握しておくべきだ。

 
 それで、結局は下のどちらかを選択する必要があるのだが、

 国民は「小さな政府ですべて自己責任、格差・貧困の拡大」と「大きな政府で安心が持てる、格差・貧困の解消」のどちらを支持しているのであろうか。

 
 小泉改革と逆行するようだが、少子高齢化の中、この不況時においては、国民のより一層の自己負担の拡大はやむを得ないので、今後は大きな政府を指向し、セーフティーネットを拡充することで、貧困率を減少させることが必要ではないか。

 
 ただし、自分も実感することがあるが、今、一番金銭的に豊かなのは、退職した高齢者たちである。少子化を軽減するためにも、また、これら高齢者の年金を負担するなど、これまで割を食ってきた若年者に対する支援を最も強化すべきだと思うが、どうだろうか。


 ところで、最近、新書をよく買って読んでいるが、参考にしているのは、新書マップ~テーマで探す新書ガイド~ と NBO新書レビュー:日経ビジネスオンライン

 特に日経のレビューはどれも秀逸で、冗談抜きで、どれも買いたくなってしまう。魅力的な新書が増えてきたという現れかもしれない。