日本の独自性

 「日本を創った12人」を読んだ。

 

日本を創った12人 (PHP文庫)

日本を創った12人 (PHP文庫)


 今まで歴史にはあまり興味がなかったが、この本を読むと、いかに我々日本人が、数多くの先人から影響を受けて生活をしているかが判る。
 聖徳太子源頼朝、織田信長、大久保利通、マッカーサーなど歴史上の人物が12人登場する。それぞれの人物のエピソードが丁寧に書かれていて、飽きない。

 

 この国において先人たちの業績が殊更に重要なのは、新しい文化や制度が入っても、従来からのものが失われることがなかった点にある。

 たとえば、聖徳太子は、仏教を広めても、これに限らず従来からの神道も信仰の対象とし続けた。多数の宗教を同時に同一人が信じても良いことにしたのだ。
これは、後にキリスト教が入ってきても同じで、クリスマスや協会での結婚式など、多くの人はそれぞれの良いとこどりをするようになった。


 実際は、大昔の話なので、聖徳太子がどの程度、この考え方に影響を及ぼしたのかは定かではないが、こういう風に歴史上の人物を現在まで引き寄せてみると、これまで無味乾燥と考えていた歴史を学ぶという行為が、日常生活を楽しくしてくれることは間違いない。
聖徳太子と自分が、宗教の考え方を通して、過去から現在まで、長い長い線で結ばれていると考えるだけで楽しい。


 ビジネス書を読み、先駆者の考えを吸収することが、最近の多読の流行だが、たまには大きく過去にさかのぼり、我が国の偉人たちの考え方を学ぶことも大切なんですね。