ブラック企業はなくならない
「ブラック企業、世にはばかる」を読了。
- 作者: 蟹沢孝夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: 新書
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ブラック企業を次の3種類に分類して説明している。
- 肉食系〜新卒使い捨て
- 草食系〜成長のチャンスなし
- グレーカラー〜長時間労働で時給激安
ブラック企業と言えば、1番目の肉食系をイメージしてしまうが、むしろ、草食系やグレーカラーの方が、やめるチャンスも難しく、たちが悪いのかもしれない。
121P
就職勝ち組といわれる大手元請け企業が自分たちの待遇や雇用も保持しようとすればするほど、そのしわ寄せが下請けに及んで過酷な環境を生み出している−いわば下請けの人たちは、大手企業の勝ち組社員を食わせるためにブラックな環境で働かされている−という加害/被害の構図がはっきりと浮かび上がってきたはずだ
126P
本書でみてきたとおり、一度ブラック職場に入ってしまうと、容易に脱出できないからだ。転職を試みた人の多くは、勝ち組職場どころかマトモな職場にすら移れず、転職先もまたブラック職場ということを繰り返しやすいのである。
ブラックな職場というものが、何故、生み出されるのかという原因をつきつめていくと、勝ち組企業という存在が重要となるようだが、改善策としては、勝ち組企業が悔い改めるしか方法がないとすれば、永久に解決は困難だよなあ。
また、貧困の連鎖と同様に、ブラック職場に一度、転落してしまうと、なかなか這い上がれない日本社会の構造は、とても怖い気がする。