若者はなぜ3年で辞めるのか?を再読した

 2年ほど前に買って1度読んでいたが、このたび再読。書かれている内容を自分のことに置き換えると、かなりリアル。

 年功序列のレールは、実際は成果主義導入のずっと前、おそらく1990年代前半の時点で、大方の企業で既に崩壊していたということだ。

 年功序列制度は既に崩壊している制度であるが、依然として年功序列の考え方は、企業の中に生き続けているのが実態であり、ほとんどの若者は退職まで役職、給与、職務内容について、貧乏くじを引くこととなる。自分が勤めたのは90年代中盤であり、その予備軍。

 1本のキャリアパスを維持するためには、組織が拡大するしかない。それが無理な場合、往々にして組織内に無駄なポストが増える。そしてそれは、人件費を圧迫し、現場力の低下となって若手の負担を増やしてしまう。

 まさに、定年退職予備軍を多数抱えるような会社は、彼らの給与により人件費を圧迫し、若者の負担を増やしている。うちの会社も同じ。

 たいていのサラリーマンなら、自身のキャリア形成について、「自分の意志よりも会社のイニシアチブの方が大きい」と感じる人の方が多数派だろう。

 このまま会社に残っていても、自身のキャリア形成も思い通りとはならないのが実態である。

 たとえ成果主義を導入していても、前述のように、企業内には依然として年功序列が脈々と息づいている。そのシステムを維持するためには、どこかで線引きが必要だ。そしてそのラインは、多くの企業において「新卒と既卒」の間に引かれている。

 期待されるのは有能な「新卒」だ。自分で起業するとか外資系に勤めない限り、たとえ成果主義をうたっている会社であっても、転職に失敗する者も多い。



 つまり、年功序列制度が思いっきり残っている会社に勤めている自分の場合、このまま会社勤めをしていても貧乏くじを引く割合が高いし、起業や転職をしようとしても、成功するには、かなりの能力が必要であるわけだから、これも難しい。

 家族もいる自分の場合、腹をくくって、今の会社で頑張るしかない。

 結局は、年功序列制度の中で生きることを覚悟するとともに、自分の「働く理由」を改めて考え、できるだけその理想に近づくよう努力することが一番重要ということ。

 いつか道が開けることを祈って、せめて、べんきょーしよー。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

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